目次
はじめに
こちらは暗号資産初心者向けの記事です。
ビットコインなどの仮想通貨の普及にともない、「HYIP (ハイプ) 」と呼ばれる投資方法も多く見かけるようになりました。本記事ではそのHYIPについてわかりやすく解説していきます。
HYIPって何?
HYIPは High Yield Investment Programの略で、日本語では高利回り案件と呼ばれています。「ハイプ」と読まれることが大半で、資産を増やすための投資先を示しています。
HYIPの特徴はその字義どおり異常なまでに高くなっており、日利1%が普通です。中には日利3%や10%のものもあります。
ではどうしてこれほど高い利回りが実現可能なのでしょうか?
HYIPの仕組み
HYIPは大きく分けて次の3つに分類されています。HYIPの全てが違法というわけではないものの、どれも大きなリスクを抱えているという点は共通です。
MLM (マルチ・レベル・マーケティング)
MLMは「ネットワークビジネス」や「マルチ商法」などとも呼ばれています。特定商取引法においては「連鎖販売取引」と定義されており、法律上の問題はありません。
この仕組みとしては商品購入者が新たな営業マンとなることで、新しい顧客を紹介すれば報酬が得られるというものが一般的です。企業としてはメディアに支払う広告宣伝費に代わり、営業マンに報酬を支払う形が取られています。
計画通りに運用されていれば長く続くことも多くなっています。
ポンジスキーム
ポンジスキームは高利回り運用を謳いつつ、実際には資産運用せずに出資金をそのまま返すという仕組みのHYIPです。
例えば出資金が100万円であり毎月5万円の配当が得られるとすると、20カ月は支払いが可能となっています。その間に新しい出資者が増えれば配当を支払える期間が延びていくものとなっています。
そして運営側が最も資金が集まったと思うタイミングで、資金を持っていなくなる手法の違法行為です。
ねずみ講
ねずみ講はMLMとよく似ていますが「無限連鎖講」と定義された違法行為です。
MLMでは新しい顧客の紹介料として報酬が得られるのに対し、 ねずみ講では新たな出資者が支払った出資金の一部が報酬として得られるというものです。そして出資金の残りは運営側の報酬となります。
この場合もポンジスキームと同様、出資金が事業の運営に使われることはありません。また、ねずみ算式に出資者が増え続けることはなく破綻します。
なぜ騙されてしまうの?
HYIPとは一言で言うとMLMを利用した投資詐欺のようなものです。多くの人がこの投資詐欺にひっかかってしまう理由には「日利1%で利益がでる」という謳い文句に惹かれてしまうことが大きな理由となっています。
単純計算で100万円を日利1%で運用すると毎日1万円の利益が出るため、月に30万の不労所得となり、こうした甘い誘惑に惑わされた結果HYIPに騙されてしまいます。
それではもう少し細かく騙される原因についてみていきましょう。
冷静な判断ができずに騙されてしまう
上記で述べたとおりHYIPはありえない投資詐欺なのですがなぜ冷静な判断ができず騙させてしまう人が多いのでしょうか?その理由は数字の伝え方にあります。
例えば100万円を日利1%で365日運用すると、年間に複利で約3,778万円の利益が出ることになります。それを月単位に直して伝えると、100万円を預けると次の月は134万円になります。すると現実的に見えませんか?
実際には複利で運用するのでありえない額になっていくのですが、多くの人が最初の入り口で騙されてしまいます。
知人・有名人を利用したHYIPおよびセミナー
知人からの紹介でHYIPを知った場合、信じてしまい騙される可能性は高くなります。しかし紹介した知人も実はHYIPについてそれほど知識がないことがほとんどです。その理由はHYIPはMLM的な一面があるので人を紹介すれば紹介料がもらえるためです。
また有名人もやっているからという安易な理由をセミナーで聞いてはじめてしまうという人も多くなっています。
分かっていて騙されてしまう
最初に怪しいとわかっていても勧誘者の達者の口ぶりなどにより手を出してしまうことも原因の1つとなっています。投資案件については十分に事前にリスクとリターンを調べてから、最悪お金がなくなっても大丈夫なくらいな資金で投資をすることになります。
暗号資産の市場自体がまだまだ未完成な市場です。まだまだ確実性が少なく、疑ってかかるくらいの気持ちでいることが大切です。
最後に
今回はHYIPについて詳しく解説してきました。
暗号資産はまだまだ新興分野です。したがって暗号資産に関する法律が整っておらず、詐欺やHYPEなどのマルチ商法を規制する事ができません!
なにが詐欺なのか、どのようにすれば引っかからないのかを理解し、安全に取引を進めていきましょう!