暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではロックアップについてわかりやすく解説していきます。
目次
ロックアップって何?
ロックアップとは暗号資産を発行する企業や団体が一定の期間、発行した暗号資産を売り出さずにいることです。特定の団体により運営・発行されている暗号資産であれば、発行母体の方針によっては保有する大量の暗号資産を売ることも可能になります。
ロックアップとバーンとの違い
ロックアップと似た現象にバーンが挙げられます。
バーンとは、暗号資産を意図的に処分し発行枚数を減らすことです。これにより暗号資産における希少性が高まる効果が見込まれます。
しかし、ロックアップが一定期間を過ぎれば解除されるのに対し、バーンを受けた通貨は市場から跡形もなく消え、2度と売買や送金に使われることはありません。 この取引に使えるか使えないかが2つの現象の違いとなっています。
ロックアップをおこなうメリット
需要と供給のバランスを調整するための方法としてロックアップがあるということをご紹介しましたが、ロックアップを実施することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
保有者の不安を解消できる
先ほども述べたように、運営団体が大量の暗号資産を保有している場合には、1度に売却されることにより需要と供給のバランスが崩れ価格が下落する可能性があります。ロックアップをおこなうことで、このような保有者の不安を軽減する効果があると考えられています。
さらにロックアップがおこなわれることで暗号資産の価格が上昇する可能性が増し、逆に価格が急落することを防げる可能性があります。
流動性を高められる
大量に保有している団体があることは、すでに暗号資産を保有している投資家の不安要素となるだけではなく、新しく暗号資産を購入しようと検討する投資家の不安要素にもなりうることです。新規購入を検討する投資家の不安要素が多ければ多いほど、暗号資産の流動性が低下する可能性も考えられます。
暗号資産の流動性が低下すれば価格自体も下がる可能性があり、ロックアップをすることにより流通量が少なくなるため、需要が高まる傾向にあります。また、需要が高まるということは購入したい人の増加につながるため、流動性は高まるという流れになっています。
ロックアップをおこなった暗号資産は?
これまでにロックアップをおこなった通貨にはどんなものがあるのでしょうか?いくつかの暗号資産をみてみましょう!
⒈ Ripple/リップル
リップルは送金に関する課題の解決が期待されている暗号資産です。リップル社は保有する暗号資産の550億XRPをロックアップすると発表し、12月8日に実施されています。
ロックアップされたリップルは徐々にロックアップを解除され約4年半をかけて全てのロックアップを解除する予定で、予定通りであれば2022年にロックアップの解除が完了します。
ロックアップされたリップルは2018年以降の毎月1日に10億XRPずつ解除されるものの、各月に10億XRPに到達せずに残ったリップルは再び55ヶ月の間ロックアップされる予定となっています。
⒉ トロン
トロンとはコンテンツを作るクリエイターを保護し、コンテンツの質を上げるシステムを構築することを目的とするプロジェクトにおける暗号資産です。トロンは2017年12月から2020年1月まで、運営団体が持っている約332億TRXをロックアップするとすでに発表を行なっています。また、2018年6月25日には当時の価格で約55億円、11月1日には約902億円相当の暗号資産をバーンした伝えられています。
なお、トロンはこれまでにも複数回のバーンをおこなっています。
⒊ ZAIFトークン・CMSトークン
ZAIFトークンは暗号資産取引所のZaifで取引が可能となっています。Zaifの企業が運用するICOプラットフォームなどでの利用が見込めるものです。2017年10月、これを運営しているテックビューロ社はCMSトークンとZAIFトークンをロックアップすると発表しています。
2018年12月末日まで総発行枚数の25%にあたる22.5億Zaifをロックアップすることが予想されており、取引所Zaifはハッキングの被害を受けたため2018年11月22日にフィスコに事業譲渡されています。
おわりに
本記事ではロックアップとは何かについて解説してきました。
今後も様々な暗号資産でロックアップはおこなわれるかもしれませんが、そのような背景にどのような目的があるのかに注目してみるのも面白いでしょう。