暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではUASFについてわかりやすく解説していきます。
はじめに
みなさん、こんにちは。今日は暗号資産のソフトフォークであるUASFについてご紹介していきます。
ソフトフォークとは、ブロックチェーンのプロトコルに規定された検証規則をより厳密なものに変更することによって発生するブロックチェーンの分岐のことです。
今回はこのソフトフォークの1種であるUASFについて解説していくので、一緒に勉強しましょう!
UASFとは
UASFとはUser Activated Soft-Forkの略称で、マイナーによる大多数の支持を不要としたまま発生させるソフトフォークを意味しています。現状UASFといった場合には隔離署名(Segwit)の規格を有効化させるためのBIP148を指します。
BIP9の規定によると最新のブロックから遡った過去2016ブロック分のうち95%以上においてマイナーがソフトフォークに賛成することを表明することによって、ソフトフォークは発動するということが決められています。しかしBIP148のUASFでは、2017年8月1日から 2017年11月15日の間、Segwitを採用しないブロックを拒否するようにクライアント変更を行いました。
このUASFの意図としてはBIP148を実装したクライアントを利用するユーザーが多数を占めた場合、前述の期間中に採掘報酬を含むブロックが多数のユーザに拒否されないようにするため、マイナーもSegwitを採用するように移行を進めるだろうというものが関わっているのです。
UASFとBIP148
UASFを理解するにあたっては、BIP148(ビットコイン改善提案148)の内容を把握する必要があります。
解説が複雑になることを防ぐため、項目に分けて解説していきます!
- ことの発端はSegwitの提案
- BIP148が登場
- BIP148がUSAFと言われる理由
ことの発端はSegwitの提案
ビットコインのスケーラビリティ問題に対する解決策の1つとしてSegwitが提案されました。しかしSegwitはASICBoostによるマイニングが複雑になってしまうという理由から多くのマイナーたちが反対し、開発者やユーザーとマイナーの間で意見が分かれる結果となってしまったのです。
BIP148が登場
Segwitへの賛同がなかなか得られず、開発者たちが苦戦する中でShaolinFryと名乗る人物から提案されたのがBIP148でした。Shaolin Fry氏はSegwit実装の可否がマイナーの賛同に委ねられている状況は好ましくないとして、「Segwitを実装していないブロックはブロックチェーンに追記しない」「このルールをウォレットや取引所などで2017年8月1日に一斉に導入する」ことを主な内容に組み込んだBIP148の提案を行いました。
この提案内容はTrezorなどのウォレットプロバイダーを中心に支持を集めました。そしてこの注目を集めた大きな理由としては取引所やウォレットがこのルールを採用した場合、Segwitを採用していないコインは取引所で売買ができなくなり、ウォレットにも保管できなくなるため、マイナーはSegwitを実装したブロックをマイニングするしか選択肢が残されていないという点が挙げられました。
BIP148がUSAFと言われる理由
このようにマイナーがそうせざるを得ない状況を作り出すような提案内容だったため、このBIP148は代表的なUASFの提案と言われています。
最終的にマイナーがSegwitの実装に賛成する形となったことからBIP148は実行されなかったものの、一方でSegwitを採用しないコインとしてビットコインキャッシュがビットコインからハードフォークするという動きも同時に起こることになってしまいました。
最後に
本記事ではUASFについての概要とBIP148との関係性について詳しく解説してきました!
通常のソフトフォークやハードフォークはマイナーやビットコイン開発者などの判断で進められるものであるため、ユーザーはまったく関与できません。しかしUASFでは大多数のマイナーからの賛同を得られなかったとしても、ユーザーの意向を反映して実行できるソフトフォークの方法です。
また実施に当たってはSegwitという技術的に優れていると言われる方式を用います。こうしたことからユーザーの間では期待が高まっているようですが、その実施によってビットコインの分裂が発生する可能性が指摘されているのも事実であるため覚えておきましょう!