暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではロールバックについてわかりやすく解説していきます。
はじめに
![セキュリティの保守性が高い仮想通貨取引所4選!セキュリティの重要性も解説 | NET MONEY | 個人投資家のための経済金融メディア](https://zuu.co.jp/files/user/images/security.jpg)
みなさん、こんにちは。
突然ですがこのロールバックという言葉を耳にしたことはありますか?よく暗号資産におけるシステム障害やエラーが起きた際に登場する言葉です。
今日はロールバックについて一緒に知識を深めていきたいと思います!
ロールバックとは
![6億ドルのハッキングが浮き彫りにする暗号資産の信頼問題 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン](https://www.coindeskjapan.com/wp-content/uploads/2021/08/shutterstock_1341139439-scaled.jpg)
その名前のとおりロールバックとは巻き戻すという意味を持つ単語です。
暗号資産はネットワーク上にある資産ということで、どうしてもネット上で悪意のある人(ハッカー)に狙われる存在になっているのはご存知であるかと思います。この攻撃を受けた際の対応策として設定されているのがこのロールバックです。
はじめに日本語に訳すと巻き戻すという意味を持つと言いましたが、もう少し具体的に言えば「なかったことにする」ことをいいます。ここでは問題となった障害や攻撃が起こった間の取引をすべてなかったことにし、障害が起こる前の状態に戻すのです。
なぜならサーバーに何らかの障害が発生したり、外部からの攻撃が加えられると、送金や取引がうまくいかないことがほとんどなのです。加えて取引所では障害のせいで正常では価格が表示されることもあります。
こんな状態のままトランザクション処理はうまくできないのはもちろん、本来の価格と違う価格で取引させるわけにはいかないのです。
だからこそこのロールバックで元の状態に戻すという対策を取るのです。
過去のロールバック実施事例
![暗号資産の普及が進んだ国ランキング2021、1年で上位の顔ぶれが一新 | 仮想通貨ニュース | 仮想通貨(暗号資産)の比較・ランキングならHEDGE GUIDE](https://hedge.guide/_wu/2021/08/shutterstock_311313911.jpg)
ここ最近で暗号資産取引所では多数のロールバックが行われた事例があります。ここでは2つの事例をご紹介していきたいと思います。
- コインチェック
- ビットフライヤー
それぞれ見ていきましょう。
コインチェック
1ビットコイン20万円くらいの価格の時期に、一時的に96万円に価格が跳ね上がったのがこのコインチェックの事例です。
この事例でコインチェックはロールバックを行い日本時間2017年5月9日、11時25分の時点へ戻す対応がなされています。そのタイミングでの売買履歴の有るトレーダーはロールバック処置に対して猛抗議を行なったことで知られている事例の1つです。
ビットフライヤー
ビットフライヤーでロールバックが行われたのは2017年4月です。大きなシステムのバグにより、大量の注文が発注されてしまった為に実施されたということです。
ここでは多くのトレーダーが強制ロスカットを受けていたため、ロールバックによりトレーダーが助かったとされる事例でもあります。
ロールバックとよく間違えられる「自社資産での補償」
![暗号資産(仮想通貨)とは何か?いまさら聞けない暗号資産の仕組み | Coincheck](https://assets-coincheck.s3.amazonaws.com/uploads/article/image/file/c39eba40-e538-4e37-bcf8-615ef23b90fe.jpeg)
ロールバックと似ているため勘違いされかねないのが「自社資産での補償」です。この補償とは不正な方法で暗号資産に窃盗などがあった際にロールバックではなく、その取引所の資産で盗まれてしまった人への保障を行うシステムのことです。
先ほども述べたようにロールバックしてしまうと正常な取引まで無効となってしまう為、こちらの方が影響が少ないと考えて行われることも多くなっていますが、あまり資産のない取引所では簡単に選択できる手段でもないのが現状です。
したがってこの2つを簡単にまとめると・・・
ロールバックは取引自体が無かったことにすることで、「自社資産での補償」は取引所の資産で顧客の損失をカバーすることとなります。
どちらも緊急手段となる為、行われないに越したことはありません。ロールバックした時にも正常な取引が無効になったことで損害を被ってしまった人に対しては、「自社資産での補償」となると考えていいでしょう。
最後に
本記事ではロールバックの概要から「自社資産での補償」との違いまでを解説してきました。
いかがだったでしょうか?何度か暗号資産の攻撃についても記事を出していますが、今までにも多くの攻撃が行われてきています。
このような攻撃に遭わないための知識をつけることも重要ですが、万が一被害にあってしまった時の対応策についても知識を深めておくとより安心して取引を進めていけるのではないかと感じます!
それでは今日の記事はここまでです!また次の記事でお会いしましょう。お疲れ様でした。