暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではThe DAOについてわかりやすく解説していきます。
はじめに
みなさんこんにちは!
早速ですが2018年1月に暗号試算取引所Coincheckから580億円相当の暗号試算NEMが盗難された事件が発生したことをご存知ですか?
他の暗号資産においてもハッキング事件は世界で多く起こっていますが、その中の1つにThe DAO事件がありました。今回はThe DAO事件と関連性のあるDAOについてみなさんと勉強していきたいと思います。
DAOとは

DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略語であり、和訳すると「自律分散型組織」という意味合いを持っています。
DAOの特徴としては特定の管理者や主体を持たない分散型の組織である点と、組織内の階層構造がない上に構成員1人1人によって自律的に運営されているのが大きな2つの特徴となっています。さらにDAOには管理者という立場がいないため、組織としてのあらゆる意思決定や実行など構成員の合意によりあらかじめ定められたルールに従って執行されることになっています。
DAOの透明性と公平性

DAOにおけるメリットは透明性と公平性であると言えます。
ブロックチェーンベースのDAOではスマートコントラクトとして書き換えができないように実装された契約群が機械的・分散的・自律的に実行されるのです。このためスマートコントラクトに欠陥がない場合は、中央集権的な組織が介在し不当に利益を得たりすることや、誰かが不正を働くなどということがなくなるのです。
またパブリックブロックチェーンを使用したDAOを見てみると、これらのデータはブロックチェーン上で公開されています。スマートコントラクトついても多くのプロジェクトでコードが公開されているため、このコードを検証することが可能になっています。
これらの透明性と公平性に加え、DAOでは中央集権的な組織が存在することはありません。さらに人の関与はあるものの契約はスマートコントラクトによって実行されるため人手を省き費用を抑えられるという大きなメリットがあります。それに加え、処理にかかる時間を短縮できるという長所も存在しているのです。
DAOが持つ課題

DAOには技術的な課題に加えて法的な課題もあることを覚えておきましょう。
DAOのスマートコントラクトは世界中に分散したノード上で実行されています。つまり国や地域で異なる法律があることから問題が発生する可能性が高くなってしまうのです。まだ歴史の浅い暗号試算に関する規制は国や地域で違うことが大半となっており、より極端な例を挙げるとすれば分散型予測市場Augurは利用方法によっては賭博罪に抵触することもあるといわれています。
技術面での課題はこの数年で解決策が見えてきていますが、法的な課題についてはDAOは新しい組織形態を持っている点も含め、徐々に落とし所が見えてくることが期待されています。
The DAO事件

最後に冒頭でも触れたThe DAO事件についてお話ししていきたいと思います。
簡単に説明するとこの事件は DAOの脆弱性をついておきたハッキングでした。根本のイーサリアムのブロックチェーンがしっかりしていても、利用するシステムにどこか落とし穴が存在した時点でハッキングにあう確率は大きくなります。このシステムの脆弱性をつかれる問題はこれから多くのブロックチェーンを扱う人が心得ていく問題になるので覚えておきましょう。
最後に
今回はDAOの概要とメリットや課題について解説してきました。いかがでしたか?
斬新な仕組みを持つDAOについて色々な課題は未だ残されているものの、注目の声が高まっているのも事実です。
またさまざまな企業やプロジェクトがスマートコントラクトに基づいて分散自律的に機能して、ICOで資金を調達したり、資金を管理したりして透明かつ公正なサービスを提供する、そんな未来も遠くないかもしれません。
これからも暗号資産に関連する記事を作成していくので、一緒に勉強していきましょう!それではまた次の記事で!