12月5日、イーサリアムブロックチェーン上で永久オプションを構築するDeFiプロトコルPanopticは約6億円を調達したことを発表しました。
リードインベスターは、日本とシリコンバレーにオフィスを持つベンチャーキャピタル・gumi Cryptos Capital(gCC)が務めています。なお参加企業にはUniswap Labs Ventures、Coinbase Ventures、Jane Streetなどが名を連ねています。
またThe Blockによると、投資の枠組みは、Panopticの株式に加えてプロトコルが将来発行するトークンの割り当てを受ける「トークンワラント」で組まれているということも明らかになりました。調達した資金はPanopticのチームの拡大、プロトコル構築、コード監査に使用されるということです。
Panopticの概要
Panopticはスマートコントラクトに預けられた流動性に対して取引を行う「ピア・ツー・プールモデル」を採用しており、通常のオプションと異なり権利を行使する特定期日がない「永久オプション」を提供しているという特徴があります。これにより、期限毎に流動性が分断される既存のDeFiオプション市場の課題を解決することができた他、期日を目標とした価格操作のリスクを抑制できるなどの利点が存在しています。
流動性プロバイダーは流動性プールに資金を預け入れて、取引手数料とオプションプレミアムを獲得でき、トレーダーは流動性プールのオプションを売買できるのです。
加えてPanopticは分散型取引所(DEX)大手Uniswapの流動性プール上の資産に基づくため、外部オラクルの価格フィードに依存しない特徴があります。対応可能な資産数の制限をなくし、パーミッションレスでより分散型な取引環境を実現することができるのです。
Panopticは2023年第1四半期にもプラットフォームを立ち上げる計画を発表しています。Kristensen氏によると、今後Uniswap以外にもAMM搭載型のDEXを統合していく方針だということです。
gumi Cryptos Capitalとは
Panopticのリードインベスターを務めたgumi Cryptos Capitalはシリコンバレーと日本にオフィスを構え、Web3領域に特化したシード・アーリーステージの企業への投資を目的とした投資ファンドとなっています。
2022年3月には同社のブロックチェーン特化型2号ファンド「Fund II」の1億1,000万ドルの資金調達が完了したことを発表していました。
Fund IIはNFTのマーケットプレイス大手OpenSea、ブロックチェーンゲームDAOと大手Yield Guild Gamesなどに投資してきた約3,000万ドル規模の1号ファンドと同様に、Web3領域に特化したシード・アーリーステージの企業に投資していくことになります。