暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではDeFiについてわかりやすく解説していきます。
はじめに
みなさん、DeFiという言葉を聞いたことはありますか? DeFiは「Decentralized Finance」の略で日本語訳では「分散型金融」と呼ばれています。
今回はこのDeFiとは一体何なのか、そして何が革新的なのかを解説していきます。
DeFiとは?
上記でも述べたようにDeFiとはパブリックブロックチェーン上に構築された分散型の金融エコシステムのことを意味しています。一般的にはイーサリアム上に構築されたプロトコルやアプリ群を意味し、これらは全てスマートコントラクトによって稼働するという仕組みです。
DeFiエコシステムでは中央集権的な管理主体の影響が非常に小さくなっており、居住地や経済状況に関係なく誰でもアクセスが可能となっているのが特徴です。この点は自国内でしか口座を作成できない既存の金融サービスと一線を画すため、金融のあり方を一変させる可能性があるのでは、という見方も議論されています。
DeFiの種類
次にDeFiにはどのようなサービスがあるのか見ていきましょう。
有名なものには、MakerDAOのようなステーブルコインプロジェクトがあります。しかし、海外では銀行や金融サービスにアクセスできない人が多くいるのが現状です。MakerDAOはそうした人たちに米ドルと価値が紐づいているステーブルコインを発行し、自由にやり取りできる資産DAIやSAIを提供しています。
そのほかに暗号資産交換業者やデリバティブやレンディングが挙げられます。
DeFiに関するサービスをまとめているウェブサイトのDeFiprime.comによると、2020年9月末時点ではイーサリアムベースでは206のプロジェクトがあるとされています。またDeFiprime.comによると、DeFiのカテゴリーは「支払い」や「保険」「資産のトークン化」など17ほどのサービスが分類されています。
DeFiの特徴
中央集権組織の存在しないDeFiでは、資産やシステム管理方法が従来とは異なっています。その中でも特に大きな特徴が以下の2つです。
- 個人がコントロール
- 依存しないシステム
それでは詳しく解説していきます!
個人がコントロール
DeFiでは、各個人が自身の資産の完全な管理権を有しています。したがって自身のデータおよび資産に関するプライバシーの保護ができ、第3者の資産の扱い方を信用する必要がないというメリットがあります。
しかし何らかの理由によって資産を失った場合や資産にアクセスできなくなった場合には、リカバリーを行ってくれる組織は存在しないため自身で責任を負わなければならないことは念頭においておくことが重要です。
依存しないシステム
DeFiではシステムにおける運営方法も従来の金融システムと違うものとなっています。「Code is law」ともいわれるように、DeFiプロダクトは全てスマートコントラクトによって稼働しているのです。
これにはプロトコルに変更を加える際に、分散型のガバナンスで投票を行うプロジェクトも存在しています。このようなプロジェクトは投票権に値するガバナンストークンを発行することで、コミュニティメンバーがそのトークンをステークして投票することでプロトコルの変更を可能にしているため、中央組織を持たずに分散的にシステムを運営していくことができるのです。
最後に
本記事ではDeFiについて解説してきました。いかがだったでしょうか?
DeFiは管理者がいない非中央集権的な次世代の金融サービスを作る仕組みです。
その中でも今最も注目を集めているのはコンパウンドに代表されるレンディングの分野だと言えます。これはイールドファーミングと流動性マイニングという仕組みによって金利やトークン収入が得られることから人気が高まっていることが理由です。
しかしながら、バブルの様相を呈しておりバグの発見によって、価値が一気に0に暴落するプロジェクトも出ているほか、まだまだ日本語の情報は多くないことが懸念点となっています。また、資産を自分自身で管理する必要があり、操作ミスによって資産を失ってしまう可能性も大きいです。そのため、サービスに参加するには十分な情報収集と注意が必要になることを覚えておきましょう。