暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではCasperについてわかりやすく解説していきます。
はじめに
みなさんこんにちは!今日も暗号資産について知識を深めていきましょう。
早速ですがCasperという単語を耳にしたことはありますか?
イーサリアムは2.0へのバージョンアップで、承認アルゴリズムをプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行することを発表しました。
その移行の鍵を握っているのがCasperです。今日はこのCasperについて解説していきます。
Casperとは
Casperとは上記でも述べたようにイーサリアム2.0におけるコンセンサスアルゴリズムの名称であり、イーサリアム独自のPoSを意味しています。2014年からイーサリアムファンデーションがリサーチや開発を開始し、Casper FFGとして2020年12月1日によりBeacon Chainで使用が開始されました。
最終的にイーサリアム2.0ではマイニングを必要とするレガシーチェーンのEthashから、完全にPoSとなるCasperへの移行を前提に開発されたものとなっています。なお現在使用している簡易GOHSTプロトコルから、Casperと命名されており、1995年に公開された米国映画のファンタジーコメディが由来になっている点もユニークですよね。
Casperにはイーサリアムのマイニングとイーサリアム2.0のファイナリティをハイブリッドにしたEIP-1011 Hybrid Casper FFGや、Beacon Chainに採用されているファイナリティを得るためにバリデータにより投票を行うCasper FFG、Casper CBCなど様々な種類が存在していることもあわせて覚えておきましょう。
なぜCasperが生まれたのか
キャスパーの概要について説明しましたが、次はこのCasperが誕生した経緯についてお話ししていこうと思います。
簡単に理由を説明するとすれば、従来のイーサリアムに問題点や改善点が存在したためにこのCasperが生み出されたのです。ここでは実装に至った背景についてより深く解説していきます。
- Nothing at Stake防止
Nothing at Stake防止
PoSの原型であると言っても過言ではないPoWは、マイニングを行う際に大量の電気を消費することが大きな課題となっていました。またマイニング報酬はマイニングを行ったチェーンの中でのみ有効ということも大きな特徴です。他のチェーンを無理に伸ばすネットワーク攻撃で得られるメリットと比べて、それにかかるコストが大きいという理屈で51%攻撃を防いでいます。
一方PoSでは、ブロック生成に必要以上の電気代がかかることはなく、ステイク量に応じて高確率で生成される仕組みがとられています。この仕組みがPoSの高速処理を実現しているのです。
PoSでブロックを生成するために必要なものは、その暗号資産を「保有」することだけです。このようにPoWとは異なり、新たなブロック生成においてはコストが非常に少なくなるため、「最も長いチェーンだけを伸ばしていく」理由がなくなってしまったのです。
PoSが抱えるこの最大の問題を、Nothing at Stakeと言います。すなわち「何も賭けていない」というのは、PoWでの電気代のようなコストを賭けていない状況のことを言います。
CasperではNothing at Stakeを解決するために生み出されたのです。これがCasper実装の背景になります。
最後に
本記事ではCasperの概要をはじめ、実装の背景までを解説してきました。
いかがでしたでしょうか?上記でも解説して通り、Casperはイーサリアムの新しいPoSアルゴリズムとなっています。またPoSの課題解決のために実装された背景があるのです。
みなさんもわからない単語や暗号資産の関連用語が出てきた際には、概要だけでなく誕生の理由についても調べてみてください。その過程を経ることで、より多くの知識を養うことが可能になります。
それでは今日もお疲れ様でした!