マルチシグとは＜初心者向け記事＞

暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではマルチシグについてわかりやすく解説していきます。

はじめに

最近暗号資産のセキュリティ問題において昨今よく話題になっていますよね？

その中で「マルチシグとはなんだろう？」という疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。本記事では、マルチシグの基本情報から、そのメリット・デメリットなどについて解説していこうと思います。

セキュリティ対策をするうえでマルチシグは必ず理解していなければならない話題となっているので、しっかり押さえておきましょう！

マルチシグとはマルチ・シグネチャの略となっており、直訳すると「複数の署名」という意味となっています。

暗号資産でトランザクションを実行するためには秘密の鍵で署名が必要となります。このマルチシグは秘密鍵が複数に分けられており、取引を行う際に複数の秘密鍵で認証が必要なタイプのアドレスのことを指しています。

また鍵が1つのみのものをシングルシグと呼ぶので覚えておきましょう。

鍵が複数あるものと1つしかないものを比較してみると、複数あるものの方が高い安全性が保持されているのはイメージしやすいですよね。マルチシグ対応ではないアドレスを使用すると、1つのパスワードや端末に依存することから、パスワードを盗まれ、ビットコイン奪われてしまう可能性が高くなるのです。

例えば暗号資産取引所にビットコインを長期間預けている場合、秘密鍵は取引所が管理していることがほとんどです。そのため取引所がハッキングされた場合、すべてのビットコインを奪われてしまう可能性があります。実際にこのケースで大量の暗号資産が盗まれた事件も存在しているのです。

しかし秘密鍵が複数あり複数認証が必要なマルチシグアドレスであれば、数ある中の1つが盗まれたとしても他の秘密鍵が無事であれば資産を失うことはありません。

では次にマルチシグのメリットについてご紹介したいと思います。

それでは解説していきます。

マルチシグの大きなメリットとしてあげられるのが上記でも述べたセキュリティの向上が挙げられます。先述した通りマルチシグでは秘密鍵を複数使用しています。

鍵が1つだけの場合よりも複数あるほうが盗まれるリスクは低くなります。サーバー攻撃によって鍵を1つ盗まれたとしても、他の鍵がなくては署名をすることは難しくなります。

暗号資産のセキュリティは鍵によって管理するので鍵がないと取引が不可能になっています。マルチシグは秘密鍵が複数あるため1つの鍵を紛失してもほかの鍵で署名が可能です。

ただし、紛失しても取引するのに不自由がないものの、リスクがないわけではありません。第3者が自分の鍵を持っている可能性があることから悪用されるリスクも存在しているのです。常にリスクを最低限に抑えておきたいなら、1つでも紛失した時点秘密鍵を全て新しく変えることをお勧めします。

メリットを解説してきましたが、デメリットを知っておくことも大切です。

それでは1つ1つ解説していきます！

まずは手数料の値上げについてです。秘密鍵が1つのものと比べると、複数の秘密鍵を利用するものは複雑な機能が必要となっているため、設定や送金には追加手数料が必要となります。

セキュリティを高くしたい場合やマルチシグ独自の利便性を利用したい場合でなければ、わざわざ高い手数料を払ってまでマルチシグ化をしなくてもいいかもしれません。

暗号資産取引を行う際はウォレットが必要となっています。それぞれのユーザーはそのウォレットを取引所に預けて取引を行いますが、その管理をユーザーが直接行うことはできません。したがって取引所のセキュリティが甘く不正アクセスを受けた場合に、秘密鍵が流出する可能性はゼロではないと考えられます。

だからこそマルチシグ対応を謳った取引所だからといって、セキュリティが万全ということではありません。そのため秘密鍵を1か所の取引所に預けることは避けて、リスクを分散させることが大切です。

本記事ではマルチシグについてメリット・デメリットを含め、解説してきました。

マルチシグはシングルシグに比べて手数料が高いというデメリットもあり、秘密鍵が多い分だけ管理が面倒になったりもします。しかし、サーバー攻撃を受けた際のリスクを考えると、マルチシグを導入するのも１つの手です。

今後このマルチシグが多くの場面で用いられることも考えられているため、知識を持っておきましょう！