暗号通貨市場:急落の背景にはビットコインの半減期が影響か 

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潜入捜査官 Crypto Dogだ🧥🕶

今回は、今週のおすすめ記事について捜査していきます!

暗号通貨市場:急落の背景にはビットコインの半減期が影響か

8日から10日かけてビットコインキャッシュビットコインSVの半減期を迎えた暗号通貨市場、時価総額上位の半減期銘柄のハッシュレートの乱れに、市場の警戒感が高まっています。

10日にかけて、半減期を迎えたばかりのビットコインキャッシュとビットコインSVの2銘柄が一際高い下げ幅を記録。暗号通貨市場の上位銘柄も連れ安した結果となりました。

ビットコインSVは半減期から時間が経過していないため、全体像は明らかになっていないものの、半減期前と後で大幅なハッシュレートの変化とプールの撤退がビットコインキャッシュと同様で確認されています。

miningpoolstatsのデータを集計した結果、半減期前と直後で68%減。10時間後には77%減までハッシュレートが低下している状況が続いています。

ビットメックス:コロナ危機が世界金融システムを変えるとCEOが主張

大手暗号通貨デリバティブ取引所ビットメックスCEOのアーサー・ヘイズ氏は「コロナ危機が世界金融システムを根本的に変える。」との見解を示しました。

コロナ感染の拡大により短期間に生活が一変してしまったように、その生活の基盤を支えてきたお金に関する「フィクション=創作されたストーリー」も劇的に変化することになるため、どの「フィクション」が信頼に値するか、予測することが重要だと訴えています。

ヘイズ氏は社会におけるマネーの役割を「商品やサービスを生み出す労働と資本の効率的な交換を可能にするためのフィクション」と定義し、現代社会が円滑に機能するのを支えるためにはこのようなフィクションが不可欠だと主張。

さらに「新しいシステムに移行する際に、所有すべきなのは金とビットコインのみ。これはビットコインの最大のチャンスになる。」と発言しています。

ライオット・ブロックチェーン:COVID-19による深刻な打撃を懸念

ナスダック上場の装置メーカーであるライオット・ブロックチェーンは、2020年3月25日に米証券取引委員会に提出した年次報告書「10-K」の中でCOVID-19に対する懸念を明らかにしました。報告書には、最悪のビジネスシナリオを詳細に記載する「一般的リスク」のセクションが含まれています。さらにライオットは今年、COVID-19の議論を念頭に、パンデミックに特化した2つのサブセクションを追加しています。

同社スタッフは検疫を受け、自宅隔離。一方のサプライチェーンは国境の制限と工場閉鎖によって動かなくなっていることも明らかになっています。

さらに「マイナーに対して効果的にサービスを提供することができなければ、マイナーがオフラインになるに伴って、我々がビットコインをマイニングする能力は、悪影響を受けることは明らかである。」とライオットは主張しました。

Azimo:欧州からタイへの国際リアルタイム決済サービスを開始

欧州を拠点にするデジタルマネー送金サービス企業Azimoはタイの大手銀行サイアム商業銀行と提携し、Rippleの「リップルネット」を介して、欧州からタイへの国際リアルタイム決済サービスを開始したことがリップルの発表で判明しました。

従来、欧州国からタイにおける送金は少なくとも営業日1日以上を必要としていました。しかしAzimoは、英ポンド・ユーロ・タイバーツを即時決済を実現。今回の提携で1日以上かかった送金処理は1分間以下で完了可能になるということです。

2月の発表ではAzimoは、XRPを介す送金プロダクト「On-Demand Liquidity (ODL)」をフィリピンへの送金で利用していました。しかしサイアム商業銀行とのサービスコネクションにもODLを利用するかどうかは明かされていません。

一方、今年の1月、サイアム銀行はRippleの技術を利用し、QRコードの国際送金アプリ「SCB Easy」に取り組んでいることを明らかにしています。

コインベース:トレーダーが大きな利益をあげた3つ手法について解説

3月12日から13日にかけて発生した暗号通貨の大暴落で、トレーダーが大きな利益をあげた3つ手法について米大手仮想通貨取引所コインベースがブログで解説を行いました。デリバティブ裁定取引・ステーブルコイン相場・MakerDAOオークションの3つの分野で利益確保のチャンスが発生していたということです。

デリバティブ裁定取引

まず現物取引と先物契約で生じる価格差を利用したデリバティブ裁定取引において、暴落による急激な市場センチメントの転換がチャンスを作り出したとコインベースは指摘しています。

3月の暴落時にトレーダーは先物アービトラージのチャンスを掴むため、暗号通貨の借り入れを行うとともに、現物市場で即時に売り抜け、先物でロングのポジションをとるといった行動を見せました。特にボラティリティが高い時期にリターンを増大させ、リスクを回避するために使われる手法であったと解説しています。

ステーブルコイン相場変動

ステーブルコイン市場では、暗号通貨相場の暴落に伴い法定通貨に準じた資産とみなされ、需要が高まった結果、プレミアム付きで取引されたことが明らかになりました。そのためステーブルコインの発行量も増加し、アービトラージ取引のためのオンチェーン活動が爆発的な拡大を見せる結果となったと解説しています。

しかしアービトラージの発生は短期間で終了。USDTの場合、需要がピークに達した3月12日には$1.05で取引されたものの、数日後には元値に戻ってしまうといった状況が見られました。

「今回のような市場混乱は、ステーブルコインがさらに普及するチャンスになる。」とコインベースは述べています。ステーブルコインの需要の高まりは暗号通貨から法定通貨への回帰ではなく、暗号通貨市場への再度、参入するために待機している資本だと説明しています。

MakerDAOオークション

分散型ステーブルコインDAIの発行・管理プラットフォームMakerDAOでは、担保となるイーサリアム価格の暴落により、システムが必要とする担保率を下回る事態が発生しました。そのため精算機能により大量のイーサリアム がオークションにかけられたものの、大幅な価格下落によりイーサリアムネットワークが混雑し手数料が高騰した結果、3時間にわたるオークションの間、入札者が1人という異常な事態に陥りました。

最終的にこの入札者は1ドルで、400万ドルに相当するETHを落札する結果となったのです。

MakerDAOにとっては大きな損失となったこのオークション。しかし、MKRトークンを発行・販売する2次オークションプロセスを追加することでこの損失を補いました。現在では十分な担保がを確保した状態に回復しているということです。

今回の暗号通貨市場の大暴落が引き起こした様々な状況は、多く分野で課題を浮き彫りにしました。今後さらに、大きなリスクにも対処できるシステムの構築が進む可能性を期待したいとの声が多く上がっています。