暗号資産初心者向けの記事です。本記事ではスケーラビリティ問題についてわかりやすく解説していきます。
はじめに
ビットコインの問題点として挙げられるスケーラビリティ問題です。
暗号資産について興味を持っているのであれば、1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、この問題についての概要や理解には少し難しい点があります。
したがって今回はスケーラビリティ問題についての解説を本記事で行います。暗号資産の今後や将来性において、とても大事なことですのでしっかりと覚えておいてくださいね。
スケーラビリティ問題とは?
まずスケーラビリティ問題とは、暗号資産に用いられているブロックチェーン技術の中で、1つのブロックの中に書き込めるトランザクションの数が限られていることが引き起こす障害問題です。ブロックの容量が無くなるほどまでデータが書き込まれることで処理速度がにわかに低下し、送金遅延を引き起こしてしまうのです。
特にビットコインにおいては、スケーラビリティ問題が非常に深刻視されてきました。
なぜなら、ビットコインのブロックサイズは1MBに制限されていることから、すぐに容量満杯となってしまい、アルトコインと比べて処理速度が遅れがちになってしまうためです。ブロックに入りきらなかったデータが増えるほど処理能力は低下し、送金の遅延だけでなく、送金要求も承認されないといった事態も発生します。
また、そういった状況下で迅速な処理を求めると、ビットコインの購入者がマイナーに対して支払う取引手数料が高くなってしまうことも派生的に生まれる問題とされています。
スケーラビリティ問題の解決策
ここではスケーラビリティ問題を解決する方法を以下の3つ紹介します。
- ソフトウォーク
- ハードウォーク
- Segwitで容量を小さくする
ソフトフォーク
ソフトフォークとはイメージとしては条件を厳しくするもので、今までのものに追加して新たな規則を加えるアップグレートとも捉えることができるでしょう。
したがって今までは通貨として使っていたものをそのまま使うことが可能になります。
チェーンが永久的に分裂するのではなく、新たな検証規則に基づいて承認されたブロックを前の古い検証規則に基づいて承認されたものにつなげるというシステムが導入されているため、新しい検証規則で承認されてできたブロックと、古い検証規則で承認されたブロックが一時的にできます。
しかしこの分裂は一時的なもので、一度ソフトフォークを行うと昔の検証規則で承認されたブロックチェーンに戻すことは不可能です。それを実施するためには次に解説するハードフォークしなければいけません。
ハードウォーク
ハードフォークとソフトフォークでは明確な違いが存在し、ハードワークの場合は昔の検証規則を完全に無視し、新たな検証規則を適用するフォークのことで昔のブロックチェーンとの互換性は存在しません。
したがってブロックチェーンは永久的に分裂し、ハードフォークを行うと「アップデート前の通貨」と「アップデート後の通貨」が生まれるため、それらは全く別の通貨になります。
ハードフォークにおいては昔の検証規則によって承認されるブロックチェーンはそのまま存在するため、新たな検証規則で承認されるブロックチェーンに不具合が生じたときに昔の検証規則を使ったブロックチェーンに戻ることが可能です。
ただ、単純に新たな通貨が生まれるということはマイナーがどちらの通貨をマイニングするかによってハッシュレートが変化するため、一部のマイナーによって価格操作される可能性があるというのはデメリットとなってしまいます。
Segwitで容量を小さくする
SegwitとはSegregated Witnessの略で、簡単にいうとブロックあたりのトランザクションの大きさを小さくするといった解決策となっています。
具体的に述べるとするならば、現在はトランザクション1つ1つで行っている電子署名の保管場所を別にすることでブロック内に空きスペースを作り、ブロックサイズを小さくするのです。
しかし、Segwitのデメリットとしては1度導入したら以前の状態に戻すことは不可能となっているため、導入後になにか不具合が生じても解決できないという点が挙げられます。現状のビットコインではこのSegwitが既に導入されています。しかし、スケーラビリティ問題を完全に解決することはできていません。
最後に
本記事ではスケーラビリティ問題について解説してきました。
スケーラビリティ問題は、暗号資産が今後通貨として使用されるために解決しないといけない問題です。この問題が解決されなければ、日常的に使われる通貨となることは非常に難しいでしょう!
またビットコインも開発が活発であるため、スケーラビリティ問題を解決するようなソフトフォークを実施する可能性も高くなっています。